Aurorbita
story
collection
news
shop
concierge
contact_us
HOME

 
紋章学

アウロビータのピンズコレクションには、ヨーロッパの中世から受け継がれている紋章の伝統とエスプリが表現されています。中世に生まれた紋章はいわば日本の家紋のように長く、その人、その家や組織を表すものとして定着しています。単なる識別する記号ではなく、その人、その家の持つ文化、哲学、絆がそこには込められています。アウロビータのピンズの世界をより深く知っていただくために、少しばかり、紋章学の世界をご紹介します。

受け継がれてこそ紋章

紋章は中世のヨーロッパで生まれました。合戦の際、個人を識別するために用いられたのが始まりとされています。古代ギリシャ時代の壺などに、独特の図柄を施した盾を掲げて戦う兵士の様子が描かれていますが、ここに登場する図柄は紋章とはみなされていません。あくまでその時々に考案されたもので、子供や家族に受け継がれることがなかったからです。紋章が個人や家を表す柄として継承性をもちだしたのは、11世紀のドイツだと言われています。合戦の際、兜で固めた兵士たちを識別するために、アーモンド型の盾に自分がわかるようにオリジナルの図柄を描いたのです。初期の頃は、色付けされない単純な幾何学模様や、動物の図柄が多かったようですが、やがて遠目からも分かるよう色付けされた紋章が増えていきます。

混沌に秩序を与えた紋章官

紋章は次第にバリエーションを増やしていく一方で、繰り返し用いられる似かよったパターンが見受けられるようになっていきます。こうした時代に活躍したのが紋章官という役人です。紋章官は戦いの際の勝ち負けの判定をする役務を持っていたため、敵味方を見分ける紋章が混在することは、その判断を鈍らせます。そこで彼らは兵士の持つ紋章を習慣化、規則化していきます。紋章はその後フランスに伝わり、次第にヨーロッパ全土に拡がっていきます。14世紀にはイギリスにも伝わりました。イギリスでは15世紀に紋章官制度が導入され、上級紋章官という非常に強い権限を持つ紋章官が誕生しています。この制度は現代にも生きています。

before story_top